白覆面のブログ

ちょっと今から仕事やめてくる （メディアワークス文庫） [ 北川恵海 ] 感想(19件)

この本は確か一年くらい前に読んだのですが、もう一度読み返して見ました。

私は小説を読むのは苦手なのですが、この本は小説が苦手な私でも読みやすくてスラスラと読むことができました。

主人公の隆(たかし)の通っていた大学でアメフト部でエースだった橘(たちばな)先輩が入社して３ヶ月で「サザエさんシンドローム」になったという話しが冒頭の部分で出てくる。

「サザエさんシンドローム」とは、サザエさんのエンディングを聞くとすごく憂鬱になって死にたくなるという鬱の症状である。

日曜日が終わり、寝て起きたら月曜日になるから憂鬱になるのである。

私は今は夜勤で働いているのですが、それでもたまたまテレビをつけた時にサザエさんがやっていると気持ちが憂鬱になってくるというパブロフの犬状態です。

私の場合は笑点、ちびまる子ちゃんの時点で憂鬱になってくるかな。

練習が厳しくて有名なアメフト部でエースを張っていたという橘先輩が入社して３ヶ月で鬱になるという話しを冒頭に持ってきて、社会に出ることの恐ろしさを作者は表現したかったのだろう。


この本の話しの内容としては、主人公である隆が大学を卒業後に中小企業で営業の仕事に就職し、

そしたらそこがブラック企業で心身ともに疲れ果て、自殺しかけたところをヤマモトと名乗る同級生に助けられ、最後は仕事を辞め心理カウンセラーになるというお話しなのですが、

私としては最後はカウンセラーになるという結末が腑に落ちないし、主人公を助けたヤマモトの正体が幽霊のままだったほうがおもしろかったな～


今度この小説が５月２７日から映画化されて放映されるようですが、このようなお話しが世の中に広まっていくことはいいことだと思います。